小笠原旅行記⑤最後の父島滞在
旅も五日目となった。今日はおがさわら丸出港日。父島に滞在できる最終日である。
15:00出港なので、それまでどうすごすか。
宿の朝食。最終日に待望のパッションフルーツが出てくれた。甘酸っぱく、華やかな香りがいつまでも口のなかに残る。
宿をチェックアウトする。荷物だけ預かって出港前に持ってきてくれるという。ありがたい。
朝イチで農協を覗く。母島産の特級パッションフルーツが二袋売れ残っていた!
加え、父島産イエローパッションフルーツなるものを見つける。パッション2種を即買いするものの、荷物になり、やや重い…
一本道をそれるとこのようなジャングルである。
三日前に訪れたウェザーステーション展望台
クジラの観測のために人が集まっている
ウェザーステーション展望台から外れた道を登っていく。
目ざすは三日月山展望台。
今日は風が強く天気がそんなによくない。
展望を堪能したあと、下山。
街の中華屋さんで、「絶品たんめん」を注文
食べたあと暑いったらない。
あとは小笠原ビジターセンターなどで展示品を見ながら時間を潰す。
ポケふたコンプリート
大神山公園をもう少し散策したかったが、背負った荷物の負担が限界に近づいてきたため断念。「ヒメツバキの谷」が個人的に気になった。
あとは、大村海岸に行き、曇った空の下の海を見納めた。
そうこうしているうちに出港1時間前。
路上で島ハチミツの販売に遭遇。島ハチミツは出回っている量が少なく、旅行中農協を探していたがなかなか出会わなかった。
最後の一瓶が残っていたので、購入。運が良かった。
宿の人が持ってきてくれた荷物を受けとる。「また来てください」と言われて、暖かい気持ちになった。
船待合室の本棚。
船待合室には続々と人が集まってくる。
首からレイを下げた人がたくさんいる。レイというのは、植物を編んで作った首飾りである。このレイを船から投げて小笠原にたどり着くと、再び島に戻ってくることができるという。
別れを惜しそうにしているが、私にはそんな関係の相手を今回の旅では築くことができなかった。
船の階級別に呼ばれて乗船する。私は例によって二等和室なので、一番最後。
乗船したら荷解きしてすぐデッキに向かう。デッキは人でいっぱい。小笠原最後のセレモニーを見るためだ。
見送りの太鼓。
お見送りの船が伴走する。
見送りの船から人々が飛び込むたびに歓声と拍手が沸き起こる。熱気が凄い。レイを投げている人もいる。花びらが舞い散る。
定期船が出る度にこれをやっているのだから凄い。本土から1000km隔てられたその遠さを見送りの熱さからも、感じた。
さようなら父島。
盛大な見送りを見て浮かれていると、冷静なアナウンスが入る。
「低気圧接近のため、かなりの船の動揺が予想されます」
なんと、南下してくる低気圧と航路がぶつかるらしい。
二等和室の席はまた角でしかもコンセントの脇。非常に幸運である。
電波が入らなくなってくると他の乗客に先んじてシャワーを浴びる。
夜はカップラーメンで済ませる。気持ち悪くなってきた。
船の総合案内窓口にはタライが用意されていた。
夜には外部に出る通路も閉鎖。なんと東京着が三時間遅れになるとアナウンス!
それでも新幹線の終電に間に合えば明日中には帰れるだろう。飛行機をとっている人たちは大変である。
暇になって撮った天井。あちこち出歩くと酔うので体を横たえている他ない。