小笠原旅行記⑥最後の航海

さて、24時間揺られる船旅の二日目、旅も最終盤である。

案の定夜は全く眠れなかった。

キツい横揺れに加え、船に波が叩きつけるガガガドーンという音が激しく、とてもじゃないがゆっくり寝られない。

朝の揺れが一番ひどく、デッキへ出る通路も相変わらず閉鎖されたままだ。回りの人の顔色を見るにつけ、ぐったりと疲れた様子である。夜、トイレにこもりっぱなしの人もいた。

朝は生協で買ったパンの残りをちまちまと食べた。あとは

席に横になって過ごす。

船が三宅島、八丈島伊豆大島付近を通過すると、わずかではあるが電波が入るので、デッキ脇に電波乞食をしに行く。

昼頃になるとデッキも解放される。

昼はカレーを食べた。

電波が入る度にTwitterをしたり、家族にLINEを送ったり…

三時過ぎ頃、ラウンジで販売されているたこ焼きを食べる。温かくてなかなかうまい。

東京湾内に入る。

ラウンジで話していた島通の人の話しに耳を傾ける。行きもなかなか揺れたが父島列島に近づいてから回復運転をして遅れを取り戻した。一方東京湾ではスピードが出せないので、回復運転ができないのだそうだ。

船の位置を示すモニター。

東京湾に入ると揺れも収まり、デッキで撮影したりスマホをしたり…

船旅も終わりかと寂しくなってくる。

レインボーブリッジ通過。

いよいよ旅も終わり。

身支度を整え、下船。

東京の風が冷たい。フリースとウインドブレーカーを着たがそれでも三月中旬。まだまだ寒い。

夜の竹芝客船ターミナル。

浜松町駅に向かう多くの人の流れに乗って道を進む。キャリーケースを引く人たちと通勤帰りのサラリーマンが入り交じる。キャリーケースの人たちは小笠原の話や帰りの電車の話をしていて、どこか非日常的だ。

人混みとビル群の向こうにライトアップされた東京タワーが見えた。

都会の景色が幻のようで、やっぱりまだ現実に戻りきらない。こういう気持ちをエモいというのかしら?

ぎゅうぎゅうの満員列車に詰め込まれ、やがてキャリーの人たちも散り散りにどこかへ消える。東京駅まで戻り、

やはり満席の新幹線に乗って地元に帰る。列車を降りるとより厳しい風が強く体に吹き付けた。

 

~所感~

そこそこ天気にも恵まれ、行きたいところにも行け、おおむね満足な旅であった。

小笠原は初心者でも旅行しやすいように思える。

・運賃の高さと揺れに耐えられれば乗り換えなしの船一本

・ガイドマップが整備され、バス情報、トイレや商店の情報まで記載され、わかりやすい

・ガイドツアーで埋めれば日程調整や難しい移動ほぼなし

・各ビーチにはだいたい東屋とトイレがある。そしてゴミが落ちておらず綺麗

 

私の旅行は、ガイドツアーで日程を埋めなかったため時間をもてあまし、ややグダグダになったところもあったが、自分のペースで休みながら旅行できた。旅費は約11万4千円。

機会があれば母島にも行きたかった。

長い船旅で二等和室、席の運もあるが、おおむね快適だった。(個人の感想)

不安な方は個室、各コンセントありの二等寝台以上をおすすめするが、早めに席も埋まるので注意を。

 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

🔻小笠原土産